ハノイのはちへお。

from Hanoi, Vietnam

2つの「どういたしまして」

ここんとこ写真が多いね。グアナファトが好き過ぎて、写真の取捨選択ができないせいです。
そう、私はグアナファトにとても期待していて、そしてグアナファトは私の期待に大いに応えてくれた。
たぶん、メキシコにいた16日間の内、グアナファトにいた3日間が一番輝いていたと思う。

DSC_3425_R.png

DSC_3440_R.png

DSC_3442_R.png

DSC_3446_R.png


ただ、教会にはもう食傷気味でした。どこも豪華すぎて。ああ、トラルパン礼拝堂が恋しい。
DSC_3450_R.png

DSC_3461_R.png


もちろんこの日もピピラの丘へ行くのですが、まだ夕方まで時間があったので、橋の上のカフェで休憩。
DSC_3469_R.png

DSC_3483_R.png
(痩せないわけだ…)


お会計の時、飴をくれた。
DSC_3485_R.png



さあ、いざケーブルカーで山登り!ピピラの丘からの眺めは、やっぱりきれい。

DSC_3491_R.png

DSC_3551_R.png

DSC_3560_R.png

DSC_3568_R.png

そしてなんとこの日も日本人に会った!1人は前日にもあった人、1人は愛知で日本語教師養成講座に通っているという大学4年生の女の子。加えて、やはり愛知で日本語を勉強していたというメキシコ人の男の子まで。
なんだなんだ、ピピラの丘には何かの力が宿ってるのか。
(そもそもグアナファト自体、日本人が多いように感じました)

ところでピピラの丘の上のケーブルカー発着所には、民芸品や革製品を売っているお店が数店ありまして、この日、前日に前を通って気になったものの入らずにいた、乗り場にいちばん近いところにあったお店に入ってみたんです。

そこは革製品のお店で、アクセサリーや財布、かばんなどが置いてあり、すべてオーナーの手作りのよう。
私は小さなショルダーバッグが気に入って、見れば値段も250ペソ(約1,800円)とお手頃だったので、買うことにしたのです。そして、お会計が終わり、「Gracias(=ありがとう)」と言った私に、オーナーさんは「A tí」と返してくれた

。私はそれが新鮮で、とても嬉しかったのです。

スペイン語には、二通りの「どういたしまして」が存在し、一つは「De nada」、もう一つが「A ti」です。
この二つの違いは、前者が「お礼を言う方だけが恩恵を受けた場合」に使うのに対し、後者は「お礼を言った側も言われた側も利益を得た場合」に使うんだそう。つまり、後者は「こちらこそ」という意味を含むということ。

例えば本来、物の売買に関しては、買い手も売り手も何かしら得ているわけなので、客が「Gracias」といえば店員は「A ti」と返すべきなのです。

でも、私はこれを聞いたことがなかった。薬局でもコンビニでも、お土産物屋でも、デナーダ、デナーダ。

まあ私はスペイン語話者ではないし、ましてベトナム在住6年、ハノイ人の「売ってやってる」風な態度に慣れきっていたため、特に不快感は覚えなかった。そういうもんなんだろな、としか思わなかったのです。

しかし、ここへ来て、こんな小さなお店の、30半ばぐらいのお兄さんが、私の目を見て、穏やかな声で「A ti」と言った。その瞬間、私の心は温かくなりました。物とお金のやり取りに加え、気持ちもやり取りできた気分になったのです。
澄んだ瞳をした、笑顔のやさしい人でした。
いつかまたグアナファトに行けたら、ピピラの丘に登って、また彼のお店へ行きたい。



ああ、ピピラの丘は忘れられない。