ハノイのはちへお。

from Hanoi, Vietnam

マレーシア2013 2日目・イポー前篇

イポー。


マレーシアが好きーとか、松本清張読んだときにこの地名見たー、とかでなければ、そりゃもう馴染みのないだろうこの街。
すでに私もいつ、どこでこの名を知ったのか全く記憶にないのですが、まあとにかくイポーに行ってきたのです。


イポーとは、クアラルンプールから北へ200?行ったところにある街で、マレーシア13州のひとつ・ペラ州の州都です。19世紀初頭はひとつの小さな村だったイポーが大きく発展を遂げたのは1920年代以降、当時マレーシアを統治していたイギリスにより、開発計画が進められてからのこと。
そしてイギリスがこのイポーの地に価値を見出したきっかけが、錫(スズ)の埋蔵量でした。

ペラ州の「ペラ」とは「銀」という意味ですが、この「銀」とは金属の銀そのものではなく、錫の色が銀色であることからつけられたといいます。イポーを含め、このあたり一帯の街の経済がいかに錫によって支えられてきたかが分かります。

とはいえ、錫の価値の下落と1970年代の鉱山閉鎖によって、イポーはその成長を止め、若者は都市へ流出し、「郊外の田舎町」的ポジションに落ち込むことに。しかし逆に、この「鉱山の街としては終わったてしまった」ことで、独特ののんびりした穏やかな雰囲気が保たれているともいえます。


ちなみに福岡県福岡市の姉妹都市だそうです。


さて、このイポー、イギリス人を始めとする西洋人だけでなく、中国人も多く居住したため、街のところどころに文化のミクスチャーが感じられるようになっています。そして何よりイポーの街を特徴づけているのが、「食」!!
イポーの街はKLっ子も週末車で押しかけちゃうようなグルメタウンなのです!


今回、イポーへはJ〇Bのツアーで行ってまいりました。
イポーまで鉄道で向かい、市内を観光し、食事をして、車でKLへ戻るというツアーです。


出発は7時。KLの空はまだこんな。


ガイドさんと車が迎えに来て、まずはクアラルンプール中央駅に向かい、電車に乗ります。KLからイポーまでは約2時間。このときの電車が意外にきれいでびっくり。車内も広いし清潔。食堂スペースもあって、ちょっと感動。

(@イポー駅)

イポー到着。


駅舎を出たところに1本の樹が。これ、「イポー」という名の樹で、ペラ州に住む先住民族・アスリ族が吹き矢の材料として使用している(していた?)そうで、言うまでもなくイポーの街の名はこの樹に由来しています。なお、この樹が刺さると体が痺れるそうです。


かつて錫と石灰を各地へ運んだSLのレリーフ。


イポー駅。駅構内にあったマジェスティック・ステーション・ホテルはなんと閉鎖されていました…


イポーは石灰岩の街でもあります。石灰岩の採掘量は一つの山の何%まで、と決まっていて、採掘の終わった山はこんな風に白い山肌を露出しています。

この白い山肌は、時間が経つと切り立てられた直線のラインが徐々に丸みを帯びてきて膨らんでくるのだそうで、イポーの人々はだから「この土地の山は生きている」という。



さて、まずは観光から。石灰岩の丘に造られた洞窟寺院・霹靂洞(ペラトン)。


オッス、オラ線香!!


中に入るとあっちに壁画、こっちに壁画。


これなんだったかなー…多分十王だと思うんだけど…
足元を見ると人間を踏みつけています。これは罪を犯した人間たち。

仏様。

仏様の後ろにある、耳の形の穴の中にも仏像か観音像があるのですよ!でも見えない!!


この仏様以外にも観音像や仏像が奥にたくさん。健康にご利益のある観音様(薬師如来ではないのか?)にお祈りしてきました。



さてこちらの霹靂洞が耳目を集めてるのが、怪談!





もとい、




階段、です。


実はイポーには中国からやって来た共産党員が集まっていました。
今回イポーを案内してくれたのはイポー出身の40代男性ガイドだったのですが、彼の少年時代、この共産党員によるゲリラ活動の情報を受けたイギリス軍によって、イポーの街に戒厳令が敷かれたことが何度かあったそう。

そして何を隠そう、この霹靂洞こそが共産党アジトだったのでした。
現在霹靂洞は階段を登り切った頂上からイポーの街が一望できる一大観光名所となっているわけですが、さすが元共産党アジトなだけあって、この階段が曲者。


狭く、細く、うねうね曲がりくねった階段が実に380段、しかもフェイクあり!!!


途中2股に分かれたところがあって、一方が頂上へ向かう正解の階段、一方は頂上へは行けない階段。
ちなみに我々、まんまとフェイクの方登りましたよ!!体力の無駄遣い!!
この記事を読んで「イポー行ってみようかな…」と思った奇特な方はくれぐれもご注意を。でもみんな間違えればいいと思うよ


とはいえどちらも階段を登った先に見える景色が全然違っていて、イポーの街の二面性が見えて面白いです。山降りた今となっては。


↑実は上の写真にサルが写ってます。

そして景観に疲労感を洗われて、そこから先がまた地獄。ゴールが見えてる分ましだけど、階段って下りもしんどいね…

ここから再び移動して、観光を続けます。
イポー日記、まだまだ続く!


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