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ハノイのはちへお。

from Hanoi, Vietnam

カレーは美味しかった、のに。

カレーを食べたくて、とあるお店に行った。

日本風のカレーを食べたくなったら決まって行く店があったのだけど、最近どうも味が落ちたような気がして足が遠のいていた。そんなタイミングで情報誌にそれは美味しそうなカレーの写真が載っていたのを見たものだから、矢も盾もたまらず早速タイ湖畔のそのお店に向かったのです。


結果、カレーはとても美味しかった。でも私たち夫婦はとてもモヤモヤしたものを感じたままお店を後にしました。


まず私たちは陽もくれた18時過ぎにお店に到着しました。そこは日本人女性オーナーのいるお店なのですが、たまたまオーナーは不在で、ベトナム人スタッフしかいなかった。それでも私たちを出迎えた青年は日本語を話したし、気持ちのいい笑顔をたたえていたので、特に問題を感じなかった。そもそもここはベトナムだし。

で、2階の席に座った私たちに、彼が出してきたのは通常のメニューとセットメニュー。折角なのでセットメニューの中にあったカレーをオーダーし、出てくるのを待っていたのです。


するとかなり時間が経って、階下から「いいよ、私が聞いてくるから」とベトナム語で言う女性の声がした。そして彼女は私たちのテーブルまで来て、「すみません、カレーはご飯ですか、パンですか」と聞いてきたのです。
この時点で「え?」と思ったのですが、まあこちとら日本人なので、もちろんご飯でお願いしました。すると彼女が「あー…ご飯はひとつだけ、あとひとつはパンです」という。


いやちょっと待て。カレーったらご飯だろ。ご飯がないならカレー売るなよ。てかそういうのは最初に言えよ。


まあでも、こういうのはハノイでありがちなことなので、「じゃあご飯ひとつ、パンひとつで」とオーダー。すると彼女、「はい、分かりました。ごめん、ね」と言ったのです。


いやあんた、ごめんって。


ここで私、かなり苛立ったのです。いやそこは「すみません」か「ごめんなさい」だろと。「ごめん」って私はあなたの友達じゃない。こうやって不測の事態に他のスタッフを差し置いて出てくるぐらいなのだから、きっと彼女はマネージャーなり何なりの、責任のある立場なのだと思います。そんな人が、客との距離の取り方を間違えてるなんて。
大体日本人にあやまるときは「すみません」「ごめんなさい」と言うもんだ、というのは初級レベル真っ最中の学習者だって知っていること。なぜ彼女はそれが言えないのだろう、と。


その後、彼女が姿を消してから、夫が「パンならカレーよりパスタの方がいいかなー…ちょっとオーダー変更できるかどうか聞いてくる」と言って1階に降りて行った。


しばらくして戻ってきた夫はかなり不機嫌でした。
いわく、「セットメニューのオーダーを変更したい、と伝えたら、『セットメニューはない』と言われた。そんなはずはないといっても、『セットメニューはありません』と言う。だったら、すでに運ばれてきているセットに付いてくるドリンクはどうなるのか、と聞いたら『別会計だ』と言う。もう訳分からないんだけど」。


これまで私たち夫婦とスタッフとのやり取りは日本語で行われてきたのですが、こうなったら仕方ない、ベトナム語でやり取りするしかない。で、私たちのオーダーを取った青年に「かくかくしかじかなわけだが、これはどういうことですか」と聞いたところ、

・そもそもセットメニューは夕方6時まで。よって、私たちのオーダーがセットで通っていることが夫が話した店員に伝わっていなかった。これは店員たちの連絡不行き届き。
・ライスが終わってしまったのは本当に申し訳ない。今後気を付ける。
・もしオーダーを変更するのであればお聞きしますが、どうしましょう。

とのこと。結局もうオーダーから時間も経ってるし、そのままカレーでいいよ、と伝え、ついでに「お客さんに謝るときは『ごめん』じゃだめだって彼女に教えてあげて」とも言った。


その後、お皿を下げにきた件の彼女が私たちに言ったのは、「今日はごめんね」でした。
残念だわ。彼女はカラオケ出身なのでしょうか。


まあ色々タイミングも悪かったんだと思うんです。時間的なタイミングとか、オーナー不在で意思疎通に困難が生じたとか。もし私たちがお店に行ったのがランチタイムだったら、きっと私たちはこんな思いをせずに済んだのだろう。
それに日本人のように「カレーはご飯と一緒に食べるのが当たり前」という文化を知らずに育ってきた彼らに、私たちの苛立ちはやはり理解しづらいと思うし、それは仕方のないことです。

ただ、やはり「日本人オーナーの店」っていうのはどうしてもこちらの期待値が高くなります。味の良し悪しだけではありません。きっと負担が軽いであろう、と思って行くのです。言葉の面の負担、思うようなサービスが受けられないという負担。ハノイ在住の日本人は、店員のミスにかなり寛容ですが、その分我慢もしていますし、文句を言いたくてもこちらの言うことを向こうが分からないのだからあきらめるしかない、というのも結構精神的に来るものがあります。しかし日本人がいればまた別で、言葉以上の、そこに含まれたこちらの気持ちまで汲んでもらえるということがどれほどありがたいか。

日本人相手に商売をするのであれば、まずそういった「顧客の期待」を理解しなければならないと思います。自分が営業時間中に店にいられないのなら、せめて自分の力の8割か9割発揮できる、客からもスタッフからも信用されるような人材を置いておくべきではないでしょうか。こと接客に関しては、日本語さえできればいいってもんでもないでしょう。今回はたまたま私たちがベトナム語を解したので納得するとまではいかないまでも、とりあえず事情を把握することはできた。でももし相手が英語もベトナム語もできない日本人客だったら、正直かなり不快だったのではないかと思います。そもそも日本人ってうるさいし。



カレーは美味しかったです。確かに美味しかった。でももっと、料理以外の面でも努力してほしいというのが正直な感想です。



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