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ハノイのはちへお。

from Hanoi, Vietnam

シェムリアップのお話

寒の戻りのハノイより、hachiheoです。冷えるのはいいんだけど、雨降るの勘弁してほしいな。

さてさてシェムリアップ話といこうじゃありませんか。今回のメインは前回できなかったことを実現させ、ついでにまだ見たことのない遺跡を見ることでした。シェムリアップまで行くのに遺跡がついで、というのは何やら不届き者めいた感じもしますが、まあいいじゃない。

前回のシェムリアップは2011年10月の半ば過ぎだったのですが、この年のこの時期といえば、記録的な大雨によりタイやカンボジアのあちらこちらが水に浸かった時でした。周囲が冠水し、まるで湖の真ん中で孤立するかのような様相となったアユタヤの遺跡の映像を、ニュースなどで見たことのある人も多いのではないでしょうか。
シェムリアップも例外ではなく、そりゃもうあちこち冠水していました。上空から見たカンボジア、どこからどこまでがトンレサップ湖か分からなかったぐらい!
私たち夫婦は運良く日程が晴れ間とぶつかり、遺跡観光は充分堪能することができたのですが(冠水したバンテアイ・スレイが良かった!)、しかし不幸にも行くことができなかったのが、全体が冠水してクローズしていたオールドマーケットです。私は旅行中のショッピングをかなり重要視しているため、これは大誤算。しかし人力でどうこうできるレベルの水害ではなかったため、諦めるしかありませんでした。

このとき私は誓ったのです。いつか必ずリベンジするぞ、と。マーケットであれこれ買いまくってやるぞ、と。
そう、今回のシェムリアップ、メインは他でもないお買い物、でした。

で、無事リベンジが叶い、お買い物を堪能したのは前記事で分かる通り。つまりもうメイン記事終わり。てなわけでのんびり遺跡観光の話などしていこうと思いますー。しかし前振り長いな。

今回訪れた遺跡はベンメリア。アンコール・ワットを造ったスールヤヴァルマン2世が、アンコール・ワットを造る前にまずは予行演習から、ということで造った、と言われています。
密林の中にあり、修復が殆どされておらず、樹木による侵食が進んでいます。小さいタプローム遺跡の集合体という感じ。敷地は広大ですし、残った柱や壁の彫刻も非常に見事で、たかが予行演習にこれだけのものを造るだけの財力と人足を持った当時の王の権威を思うと、ため息しか出ません。実物大の模型作っちゃいました、みたいなもんですからね。

登り降りが結構あって、いい運動に。雨季には遺跡全体が苔生して緑色に染まるのだそうで、雨季のベンメリアに行ったことのある夫に写真を見せてもらったところ、そりゃあもう美しく、自然の躍動を感じる風情でございました。足元すごく滑るから、危ないらしいんですけどね。

さてベンメリア、市内中心部から結構離れているのですが、遺跡自体はもちろん、途中の道で見られる風景も実に素晴らしかったです。
いわゆる田舎道を走るため、中心部とはまた違った人々の生活が見られます。
例えば家屋。木造高床式の家が、ポツリ、ポツリと建っています。床下を作業場としたり、ハンモックを吊るしたりしている家もあれば、コンクリート製の壁で囲んでしまっている家もありました。このコンクリートの壁の有無や、単なる木造高床式でも、その素材であるとか、床の高さなどが、各家庭の経済状況を物語っているようでした。完全にコンクリートで出来た家であっても、2階に上がる階段は大抵が外についていて、それこそが彼らカンボジア人の中に息づく伝統の証明のようでもありました。

そんな家屋は田んぼや畑、あるいはただの土地に楔を打つように散らばっていたり、3、4戸が固まって建っていたりします。同じく広大な土地に楔を打つのが、熱帯地域でしか見られない、タンポポの綿毛のような佇まいの木。ヒョロヒョロと細長い木の幹の先に、何かの拍子に突然自分が何者であるか思い出した、という感じで、木の葉の塊が丸くついているのです。防風にも防水にも役に立たなそうな木は、その土地がいかにのんびりした場所であるかを表していました。

そんな家々や樹々をぼんやり見つめていると、木だの果物だのを載せた大きな荷台を引きながら走る耕運機とすれ違う。一般道を走る耕運機!これがものすごく新鮮でした。だってベトナムじゃ見たことないよ!馬力があるんでいいんだそうです。カンボジアはガソリン価格が高いので(ベトナムなどから輸入するため)、耕運機もある程度お金のある家でないと持てないそうで、そのせいか、いかにもこれから畑仕事に出るのだといった格好の大人たちを何人も荷台に載せた耕運機も何台か見ました。乗り合い耕運機。いいなあ。

木造高床式住宅の庭先で、この荷台に座っている夫婦を見かけました。
少し間を空けて座る夫婦の間には、大量のスターフルーツ。使い込まれて黒ずんだ木製の荷台、もう何年も陽に当てられて黒くなった夫婦の肌、土混じりの水で洗うものだから、茶色く染まった夫婦の服。強い陽射しの中、濃淡様々な茶色を周囲に従えて、スターフルーツの緑がかった黄色だけが痛いほどまぶしくて、それを見たとき、ああカンボジアっていいなあ、と思ったのでした。
私はアジアに、東南アジアにいる。私の憧れてきた、私が理想としていた東南アジアが、今眼前で展開されている。

あんな一年のほとんどがどんよりしているハノイなんて、東南アジアじゃないやい!!。・(ノД`)・。
(ハノイも好きですよ。ただ東南アジアとして、ではない)


まあハノイのことは置いといて、旅の醍醐味はそこに暮らす人々の姿にある、とはよく言ったものだな、と思います。人こそは最も不変ならざるものなので、目に入ってくる、彼らのいる風景風景全てが一期一会なのですよね。そういう意味ではどんな遺跡より貴重だと思います。

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さてこちらはこの旅のベストショット(ピント合ってないけど!)。子供達かわいいなあ!!