ハノイのはちへお。

from Hanoi, Vietnam

Thế hệ 9X

一昨日、1年半ぶりに、以前の同僚の先生からメールが来て、今日、お昼ご飯を一緒に食べたのね。

彼女は私より3つか4つ上。同じクラスを担当することも多かったし、また意外に気も合って、前はよくお喋りしたりしてたのが、私が企業への出張授業しか受けなくなったのと、彼女が別の学校に移ったのとで、全然会ってなかった。

いやはや1年半も会ってないと積もる話もあって、あっという間の2時間でした。


彼女は、当然もう結婚していて、子供もいる。
子供は男の子が一人。で、結構周りから「もう一人作りなさいよー、女の子もいいもんよー」なんて言われているのを、私も見たことがある。



みんなは知らなかったけど、実は彼女には、すでに娘もいる。



「実は旦那はバツ1で、前の奥さんとの間に娘がいる。母親は子供に無関心で、旦那が引き取って育ててるんだ」
だから、もう一人子供を作るのはちょっと気が引けるんだ、と彼女は私に話してくれた。

いかんせん、旦那の連れ子なだけに、接し方が難しい、とも言っていて、時々私は彼女のことを思い出しては、「上手くやってんのかなぁ」なんて思ってたんだけど。


さて、私ももう四捨五入すれば30、しかも彼女と会わなくなった頃は丁度前彼とのことでゴタゴタしてたのもあって、やっぱり今日会ったら「で、結婚は?」という話になった。

前彼との終わり方と今の相方と付き合い始めたきっかけを話して、それから色々あって、ふと話が「私はいつまでベトナムにいるのか」という方向に。

私は今の相方と結婚したいと思ってる。で、二人でこのままベトナムに住むのも、まぁいいかな、と思ってる。
ただ、それはあくまで「二人で」であって、例えば子供産んで育てるんであれば、私はベトナム以外の場所を選ぶ。
そもそもベトナム人はマナーに対する意識が極端に低い。
いくら子供の人格形成は親のしつけによる部分が多いと言っても、長じれば親以外の人間と過ごす時間が多くなるわけで、結局親の思う通りには育つはずがない、どうしたって社会全体の空気が影響を与えるだろう。
それを考えると、今のベトナムは決していい環境であるとは思えない。
親が日本人である以上、やはり子供には「日本人らしい」ことが求められるだろう、でも、今のベトナムでそれは難しいんじゃないか…

なんてことを話したら、

「間違いない、今の若い子見てたら不安になるもの」と彼女が漏らした。

今の若い子、つまりthe he 9X(90年代生まれの世代)の精神構造は他の世代と根本的に違う。
彼らの親世代、60~70年代生まれの人たちが家庭を持った頃というのは、丁度配給制度が終わり、市場経済が導入され始めたころで、皆が「働いてお金を稼ぐ」ことを求められるようになった。
お金がなければ自分ひとりの身すら面倒見きれない時代、当然結婚して子供ももうけた夫婦は外へ働きに行かねばならない。
自然、子供の面倒は祖父母やあるいはお手伝いさんが見ることになる。

ところが、そもそも祖父母世代の子育ては時代に合っていない。
配給時代は子供を放置しても、危険なことをするための手段がなかった、だから安心して子供を外に出せた。
でも、今は違う。
セックス、麻薬、犯罪へアクセスするためのツールは容易に手に入るようになっていて、だからこそ、子供を監視することが必要なのに、祖父母はそういった危機感を持ち合わせていない。
お手伝いさんなんか言わずもがなで、そもそも雇い主の子供に強く言える権利など持ち合わせていない。
両親は、というと、仕事に忙しく、子供にそれほど関心を向けていない。

結果、どうなっているか。

彼女の義理の娘はまさに9X世代。
現在高2である娘の惨状に私も口あんぐりでした。

・勉強せずに夜遊びばかり、クラブに入りびたり。
・夜出て行けば、2時、3時帰りはデフォルトで、3日4日帰ってこないこともある。
・化粧に肌を露出した格好。それを恥とも思わない。
・勉強しないから留年決定、それを何とも思っていない。
・人と喧嘩するのを恐れず、そればかりか、友人たちと「●●、あいつ〆にいこうぜ」なんて示し合わせて、殴り合いに出かける始末。

「その内『お父さん、あたし子供ができた』なんて言って帰ってくるんじゃない?」と半ば本気で言った私、彼女も否定しませんでした。
てゆーか、友達と誘い合わせて人殴りに行くて、それはハノイの女の子がすることじゃないよ…

「ホントの子なら何とでもできるけど、義理の子だもんねー、下手に怒ったりできないよねー」というと、
「ほんとにそう。もう頭が痛い」

娘の父親、つまり彼女の旦那は、夜中の2時に「お父さん迎えに来て―」と電話してきた娘を叱るどころか、クラブまで娘を迎えに行く始末(勿論時々叱ってはいるようだけど、娘も聞く耳持たないとか)。

「9X世代は本当に理解不能な子が多い、そもそも『怖いもの』がない。普通、無用のトラブルを避けたがるもんでしょう、でもあの子たちはトラブルを恐れない」


…まぁこういった子たちは大勢いる9X世代の、ほんの一部であることは確かだけど…。

でも、ほんと、最近変な子多いもの。
ノーヘル暴走バイクは多いし、カフェでテーブルの上に足を投げ出してタバコふかしてる女の子もいるし、変に金だけはある連中が傍若無人な振る舞いをしたりさ。

「単に甘やかされているだけでなく、放置されている子が本当に多い」と彼女は言う。

そういえば、以前、相方と夜のバーに行ったとき、近くのテーブルに子連れの女が二人いたんだけど。
子供が奇声を上げながら店内を走り回っても、注意することなく、ずっとくっちゃべってんのね。
挙句、子供の姿が見えなくなって、店員に「あれ、家の子どこ?」なんて聞いてんの。
あんまり腹立ったんで、うちらのテーブルの横で子供が叫びだしたとき、店員に大声で「この子らの母親どこよ?!」て聞いてやったよ。
でも、店員が店の奥に子供連れて行って(どうも母親はオーナーの知り合いだったらしい)、そんで終わっちゃった。

こういう恥ずかしい親が、今のハノイにはとても多い。何なんだろ。
母親にもリラックスする時間が必要なのはわかるけど、だからって子供放置したらあかんやろ。



…でも、日本でも最近こういう親増えてるんでしょ?モンペってやつ。

海外にいる分、入ってくる情報は偏っているとは思うけど、うーん…日本で子育てするのも怖いわ。





…てなわけで、子育てするのにいい環境がある国を模索中です。