2012年ケーキの旅 3日目・ウィーン−後篇
さて、一日一ケーキを目標にしたこの旅最大のピンチ。何せ、ゲルストナーに行けなかったんだから…
とかいいつつ、実はこの日は3ケーキになる予定だったので、その内のひとつが消えても、まあよし。
…あれ?ザッハーで食べたんはケーキじゃなかったのか…?
…
ケーキ目指して、トラムに乗ります。方向を間違えたので、途中下車して戻ります。
「ウィーンのガウディ」と呼ばれる建築家・フンデルトヴァッサーが最初に手がけた市営住宅です。カラフル!
1966年に建てられたこの住宅には、もちろん人が住んでいるので中には入れません。
ここの1階と、向かい側にショップが入っていて、そちらを見るのも楽しい。
ただ、お土産は市内のどこのショップとも品揃えは大して変わりません。
住宅向かいにあるショップに集まったところの、奥の方にフンデルトヴァッサーの作品をモチーフにしたものを売っているショップがあって、そこは面白かった。ここで、ピンズを買いました。
地下にはアートなトイレが。しかし有料。あの、入りませんでした。
ちなみに、フンデルトヴァッサーの設計した建物は、日本にも舞洲ごみ処理場をはじめ、4箇所あります。いつか行くんだー
ここから徒歩で、クンストハウス・ウィーンへ向かいます。
ここはフンデルトヴァッサーが設計した建物に、カフェとミュージアム、ショップが入ったもの。
さあ、ここでケーキを食べます。
カフェ・イム・クンストハウス。緑溢れる内装。床がかわいいよね。ここの床、水平になってないんです。
ケーキを選びに行ったときに、「これが一番フレッシュだ!」とお勧めしてくれたケーキ。
なんだか不安になる色ですが、これがびっくり、むちゃくちゃ美味しかった。まだほんのり温かくて、しっとりした生地と、ほのかな酸味に夫も絶賛。
ここで、「留学したいなあ…フランス語かスペイン語勉強したい。まあ、できないから、ハノイで先生探すか」とつぶやいた私に、夫が「実はちょっと前まで留学するか、大学に入り直すことを考えてた。もうね、できないけど」と話した。
もうすでに、お互いの人生が、それぞれだけのものではなくなっている。戸籍謄本を見る以上に、そのことをはっきり感じた会話でした。
もちろん夫だけのもの・私だけのものだって、有形無形に関わらず、いくらかは維持されていくのです。
ただ、それが数年間という時間の塊と、少なくないお金を消費するものであれば話は別で、特別な事情でもない限り、やはり夫婦は一緒にいて、分け合ってなんぼだと、お互い同じようにそう感じているので、だから私も夫も、留学はできない。
今は一緒にいることで十分だから、残念とは思わない。
まあどうしても行きたくなって、条件が整えられれば行くんだろうし、そしておそらく、行ってしまう一方を、残された一方は止めないんだろうな、とも思うし。いや、着いていくかもしれない。
そんなことを考えながら、まったりしたあと、「さて、このあとどうしようか」という話に。
何せ日曜日、見れるお店も少ないし、特にしたいこともない。時間を見れば午後5時前、ああもう早めの夕食行っちゃおうか、と決まる。
中心部に戻ります。
行ったお店は、フィグルミュラー。1905年創業のレストラン。
市内に2店舗あり、本店に向かった私たちは、「フルなので支店に行ってくれ」とのことだったので支店の方へ。
本店とはまた違う雰囲気。
ここの名物は、お皿からはみ出すほどの大きなウィンナ・フニッツェル!平たく言えば、薄い牛カツです。
この写真で大きさが伝わるかどうか…伝わらないかな。
味はというと、もうね、塩加減が絶妙で、衣もサックサク!しかも重くない!これはいける。
夫もこの美味しさには大興奮。
「あーこれソースカツどんにして食べたいなー」を連発してました。いまだに言う。
ここはどのガイドブックにも載る有名店。早めに行った私たちは、本店には入れなかったものの、支店にはスムーズに入れました…が!
7時ごろに食事を終えて出てみると、支店も本店も行列ができてた!
たしかに、ガイドブックには行列のできる店として載ってたけど、本当なのね。来たとき普通に空いてたから、話が違う!とか思ってた。
さて、ウィーン最後のケーキを食べにきました。
ツェントラル。
ここはかつて文化人の集まるサロンとして賑わい、カフカやココシュカのほかに、政治家ではスターリンやヒトラーも訪れた場所。
この人形は、自分への郵便物をここへ届けさせるほどに入りびたりだった、作家で批評家のアルテンベルク。
ここでいただくのは皇帝、フランツ・ヨーゼフが愛したというカイザー・シュマーレン
…
…
…
(((( ;゚д゚)))アワワワワ
量が多すぎるよ!
どんっと目の前に置かれたパンケーキに、言葉も出ない私たち。
とりあえず食べます。美味しい。柔軟材でも使ったかのようにふわっふわ。
だがしかし、多すぎる。食べても食べても減らない、ケーキ地獄。
・゚・(つД`)・゚・ ウワァァァン
こんな量のケーキでもさあ、テーブルに片肘ついて、電話しながら一人でがっついてるおばちゃんもいるんだよ。
(ひそかにケーキ青龍と命名)
とにもかくにも、ウィーン最後の夜は更けていったのでした。