地味な街で、この旅一番の贅沢を。
さて、私は旅が好きで、よってガイドブックや旅雑誌の類も大好きです。
本屋へ行けば、必ず海外旅行ガイドの棚を見ます。『TRANSIT』はできるだけ毎号買うようにしてるし、『FIGARO Japon Voyage』も大好きだ。『地球の歩き方 Gem stone』は私がマラッカにはまるきっかけを作ったし、またウィーンの旅を助けてくれた。
で、私が旅先を決めた時、真っ先に買うもの。それが『るるぶ』です。
私、『るるぶ』大好きなんです。国によっては発行年から時間が経っていて情報が古かったりするけれど、さすが「見る・食べる・遊ぶ」をテーマにしてるだけあって、内容がものすごく楽しい。
我が夫は写真過多だ、なんて言うけれど(確かにごちゃごちゃしてるけど)、しかし『地球の歩き方』その他が割と淡々としているのに対し、『るるぶ』の「ねえ!ほらあんなのやこんなのもあるのよ、ほら楽しそうでしょう美味しそうでしょう行きたくなったでしょう行ってらっしゃいよ待ってるわよ!」とものすごいテンションで語りかけてくる感じがとても好きだ。まさに女の為のガイドブック。
だから、10年前の初ベトナムの際に『るるぶ』を買ったのを皮切りに、その後、バンコク、マレーシア、中欧、カンボジア、全ての旅で『るるぶ』をお供にした。現在、インドも出番を待っている。行く予定が立たないんだけど。
で、今回のメキシコだって、やっぱり『るるぶ』を携行した。『るるぶ』を見て、どの都市を巡るかを考え、ホテルも予約し、たところで、『Figaro japon』が私に語りかけたのです。
「ケレタロ、行ってみない?」と。
当初は、グアナファトの前か後にサン・ミゲル・ド・アジェンデへ行くつもりだったのです。
しかし、『FIGARO』誌上で見た写真の誘惑には勝てませんでした。
私はサン・ミゲル・ド・アジェンデ行きをやめ、ケレタロ行きを決めた。
250年以上前に建てられた大邸宅を利用したホテル。ただそこに泊まるだけのために。
ああもう何て美しいタイル使い!
私たちの泊まった客室。ベッドのヘッドボードの上にあるのは、絵じゃなくて織物です。
このクラシックな鍵、私はケレタロ滞在中一度も開けることができず、Tちゃんにおまかせ。
もう満足。まだここで何もしていないけど、満足。
まあこんな美しいホテルの、美しい部屋で、
こんなことしてたのは秘密。