ケレタロと水の物語。
サンタクルス修道院の横の道をテーッと歩いて、展望台にやってきた私たち。
水道橋を見に来たの。
全部で74のアーチを持つこちらの水道橋は1726年から38年にかけて建設されたもの。
当時工業化が進んでいたケレタロでは工業排水による河川の汚染が深刻化し、市民の飲み水が不足するという事態を招きました。
市民の健康を憂慮した資産家・ウルティア公爵は水源を探し回り、ある日とうとう山間の村に湧き出る泉を発見。私財を投じてこの泉の水を市内に届ける水道橋を建設したのでした。
この水道橋の終着点がサンタクルス修道院で、ここからさらに街の各所にあった「水の箱」と呼ばれる水汲み場へと運ばれていきました。この水の箱は石で作られていて、瓶で水を汲んだ人々の肘の跡が残ってるそうな。
うーん帰国後に学ぶことって多いなあ。
ちなみにサンタクルス修道院にも伝説が残っています。
昔、市民が水不足で困っていた時に、ひょっこり現れた修道僧が「ここ掘ってみ」と指さした。そこを掘ってみたら、水がどんどん湧き出して、現在に至るまで枯れることなく水が湧き出ている。
そしてこの泉の脇に生えた木は、その枝が十字架の形をしている上に、キリストが釘打たれたのと同じ個所に棘が生えている。その上この木は本来アフリカにしか生息していない種で、何これすんごい奇跡だね!っていうお話。
ちなみにこの木の枝はお土産として売られているそうです。
で、この展望台からの景色は、夕方から見るといいんじゃないかということで、夕方また行きました。
ケレタロは本当に夕日がきれい。
この時間は水道橋を見るよりも、
反対側の街並みを見た方がきれいかな。
水道橋と民芸品。
前撮り写真の撮影もやってました。ハノイでホアンキエム湖に行くような感じだね。水道橋はやっぱりケレタロのシンボル。
街中へ戻って晩御飯。この日のお昼がそれはそれは残念だったので、今度はちゃんと混んでるお店でハムのトルテ(ハンバーガーっぽいもの)と、
たまたま見かけたグリンガ(小麦のトルティーヤで具材を挟んだもの)をテイクアウトし、公園で食べました。
これが大正解で、トルテのトマトチリ、グリンガの甘く炒められた玉ねぎとお肉は絶品でした。
公園の噴水は音楽に合わせてその動きを変え、なんかそれがいつまで見てても飽きなかった。
水が人に与える安心感は今も昔も変わらないもんだなあ。
しかし、250年前には市民が渇望したきれいな水が、今や娯楽として使われている。なんて豊かな時代なんだろう。