ハノイのはちへお。

from Hanoi, Vietnam

水も買えないこんな世の中じゃ…(´・ハ・`;)

南シナ海の領有権を中国と争うベトナムの政府筋は28日までに、尖閣諸島(沖縄県石垣市)を脅かす中国に対処する日本と連携、協力を強化する意向を示した。両政府は5月に首都ハノイで、海洋安全保障協議を開催する予定で、ベトナムへの巡視船供与についても話し合われる。一方、フィリピンは、北部ルソン島沖・スカボロー礁に中国艦船が居座り続けて1年以上が経過し、実効支配への非難と危機感を強めている。

産経ニュース 2013年4月29日 「ベトナム、日本と対中連携強化へ 比に続き海洋安保協議」

…だそうです。
何でいきなりこういう記事を引っ張ってきたかというと、あの歩きに歩いた日曜日、水を買うために入った(たぶん)夫婦でやってる小さなお店で、こんな会話をしたからです。

hachi  「これいくらですか」
奥さん 「6千ドンよー、シックス!あなたベトナム語できるのー?」
hachi  「はあ、まあでも少しだけです」
奥さん 「あらあらーそうなのー、あんた韓国人?」
hachi  「あ、いや日本人です」
旦那さん「(奥さんに)どっから来たって?」
奥さん 「日本だって!そうよねえ、日本人は穏やかだもんねえ、うんうん」

…とまあ、ここまでは普通の会話だったんですが、お金を払ってお店を出ようとしたら、それまで店の軒先で新聞を読んでいた旦那さんがいきなりこんな話をふってきた。

「そうかー日本人か!ははは!日本人はいい、何でも売ってやる。でもなー、中国人はだめだよ。中国人、ノーッ!!水1本だって売ってやんないよ。あいつらは俺たちの領土を奪おうとしている。日本も今もめてんだろ?ベトナムと日本、協力して共に戦おうぜ!!」…と。


えらい熱いおっちゃんだなーと思ってたらその翌日にこの記事ですよ。もしやあのおっちゃんは、記事を書き終えた青木記者だったのかもしれない。んなはずはない。


冗談はともかく、元々ベトナム人の対中感情はいいとはいえません。ベトナムの長い歴史の中で培われてきた中国に対する不信感や嫌悪感は南沙諸島の領有権争いをきっかけに爆発し、反中デモも盛り上がりを見せてました(ただしベトナムでは2011年8月以降反中デモが禁止されているため、やったら捕まる)。

以前ベトナム語の先生と話中国製品について話したとき、強い口調で「中国人はベトナム人を殺そうとしている」と言っていて、それがベトナム人の「反中感情」に触れた最初だったのですが。しかしそれ以降特に中国について悪し様に言う人に会わなかったのでしばらく忘れてたんですよね、そういうの。

でも考えてみれば「日本好きー」「韓国好きー」っていう人はいても、「中国好きー」っていう人は聞いたことないね。そもそも話題に登らない(食品衛生問題については日常的に言われていますが)って、これ相当根深いんだと思う。


そんなベトナムの対中感情。うんざりするぐらい繰り返してきた「あんた〇〇人?」という問いかけには、実は結構重い意味が含まれていたのかもしれない。