雷魚とブンと私の舌と。
ハノイの街は変われども、もちろん変わらないものもあるわけで。
昨日の朝は雨が降っていたから、タクシー出勤をした夫。
お昼過ぎに電話があって、「どうせ帰りもタクシーだしさ、外でご飯食べようよー」という。
夫の会社には新人が二人入ってきていて、その二人に「ハノイ名物」を食べてもらいたいと。
で、行ってまいりました。この6年で1回しか行ったことのなかった、このお店。
1871年創業の『Cha Ca La Vong(チャ―・カー・ラー・ヴォン)』。
140年に渡ってチャ―・カー(揚げ魚)だけで勝負してきたうえに、そのあまりの美味しさが評判となって、しまいには店のある通りの名前が「Cha Ca」になってしまったという、これは生ける伝説と呼んでもいいんじゃないか。
連日満員のこのお店、行ってみたら結構空いててびっくり…どうした?
人数を言って席に着くと、真っ先に運ばれてくるのが、これ。ターメリックで味付けされた、雷魚の揚げたの。
ブン(米の麺)に乗せていただきます。お好みでピーナッツ、香草、マムトムを。私は香草好きじゃないんで、なし。
ところで、私がこのお店に滅多に来ないのには理由がある。
私、あんまりブンが好きじゃないんです…特に、ここのブンはなんか嫌。(乂`д´)
何か、こう匂いが…。何だろう、化粧品みたいな。その匂いっていうのはなにもここに限った事じゃないんです。他で食べたブンに同じような匂いを嗅ぎ取ったこともあるし。
まさかブンまで自家生産ではないだろうから、仕入れ元のブンが私には合わないのかもしれない。
ただ、その匂いの付いたブンこそが、いわゆる「昔から続くハノイのブン」である可能性もあるので、その場合、「都の味が分からない女」ってことになるんですけどね、ふん!
で、魚はどうなのよ、雷魚って食べれるの?ってとこですが。
雷魚に関しては、かつて『サイゴンから来た妻と娘』の中で作者の近藤氏も絶賛しておりました。
ただ、それが雷魚だとは知らなかった彼は(ベトナム語名の『カー・ロック』しかしらず、また切り身しか見たことがなかった)、図らずも日本でその正体を知った時は「まさかあの上品な味のカー・ロックが、雷魚のような醜悪な魚だったなんて」と驚きを隠せなかったようですが。
そう、とても上品な味わいです。川魚の割に臭みも全然ないし、身もよくしまって、おいしい。
でもできれば塩コショウで食べたいところ…
やっぱり「都の味」は私には理解できないのかな。
ハイネケン3本、セブンUPを1缶、チャ―・カー4人前で大体78万ドンなり。