タヒエン通りのサイゴン飯屋。
タヒエン通り(phố Tạ Hiện)といえば、20世紀初頭に建てられた2階建ての長屋が並ぶ通りで、数年前にその保存を目的として、フランスのとある街からの援助も受けつつ、かつて失われた石畳が再び造られ、さらに建物の修復も行われた後、昔からあるピーナッツやソ連製時計の店も残しながら、新しく外国人向けのショップやバーなどが急速に増えたところです。ベトナム人の若者向けに、ポテトチップスや串刺しのチーズなども売られています。私は食べようとは思いませんが。
そんなタヒエン通りに、サイゴン風カレーが食べられるお店ができたんだって、ということで、カレー大好きな夫に連れられて行ってまいりました(店舗情報は記事の終わりに)。
場所はタヒエン通りの北側、かなりHàng Buồm通り寄り。テーブルは1階から、たぶん3階までかな?
こちらはサイゴン出身の夫と結婚したハノイ人の奥さんが、故郷の味を恋しがる夫のために習得したという「南部の味」を提供するお店。愛だな!
ベトナムも広し、北部・中部・南部で料理の味付けが異なります。平たく言えば、北はしょっぱい、中部は辛い、南は甘い。
メニューにはカレーのほか、コム・タムなどの皿飯、軽食類などそこそこ豊富。今回、夫はCà ri bò(ビーフカレー)、私はCơm tấm sườn(骨付き豚ばら肉の炭火焼きが乗った皿飯)をオーダー。
ドリンクはSỡa ngô(トウモロコシのジュース)、1万5千ドン。粉っぽくて私は苦手。
Cơm tấm sườn、3万5千ドン。
ジューシー!
コム・タムはgạo tấm(ガオ・タム)を炊いたご飯のこと。元々、コメの選別の際にふるいから落ちた、細かく割れたコメがガオ・タムで、昔は鶏のエサにしたり、貧しい人の食糧になっていたとか。それがいつしか多くの人が口にするようになり、同時にガオ・タムの価値も上がりました。このガオ・タムを炊いたご飯に焼き肉や卵を乗せたコム・タムは、特に南部の朝食・昼食の定番になっています。
さて肝心の味ですが、これ、お肉がすんごく美味しい!薄切りながらとてもジューシーで香ばしく、ビールが欲しくなる味。このお肉、完全にはカットされておらず、下で繋がっているのですが、柔らかいのでいい感じに噛み切ることができます(ナイフを貰うという選択肢は私にはなかった)。ご飯は、私の好みではなかったです。
Cà ri bò、3万8千ドン。
ザ・東南アジアのカレー。ココナッツ風味で、ほのかにスパイシー。なかなか美味です。
カレー目当てで行った夫でしたが、かなりコム・タム・スーンが気に入った模様。
「日本には『すき家』がある!って言えるでしょ、ハノイにはこれがある!っていえるんじゃないかなあ」
コム・タムは南部のものなんだが、それでいいんだろうか。
◆Càri Trương◆
Add: 2B Tạ Hiện(同じ住所の店が並んでいるエリアの、Hàng Buồm寄り)
Open: 8:00~21:00、デリバリーあり
Tel: 04 66825260