Banh Troi Tauを求めて・2012年冬
どういった層の人がこのブログを見ていて、またその中のどれだけの人がハノイに住んでいたり、来たことがあったり、あるいは興味があるのかはわかりませんが、おそらく確実に、バイン・チョイ・タウを知っている人が僅かでもいるはずです。とうとう、シーズンがやってきましたね。
バイン・チョイ・タウ(単にバイン・チョイとも)とは、生姜シロップの中に、胡麻やココナツ、緑豆の餡が入った白玉が2つ入ったもので、温かいチェーの一種です。ハノイの冬の風物詩で、他の季節には売られておりません。
このバイン・チョイ・タウ、日本人の間で有名なのが、Hang Giay通りにある、コメディアン・Pham Bang氏のお店のもの。このブログでもすでに記事にしています。(参照→☆)
私はここの、ココナツ入りの白玉が大好きで、気温が下がったとなれば必ず行くのですが、何とどういうわけか、今年はすでに3回も行ったのに、開いていなかった。
扉は開いているのに、あの大鍋も、プラスチック椅子も、小さな看板も、何も出ていない。
昨日は夫にとって、ハノイが冷え込んでからの最初の休日で、秒速で夫婦の意見が一致して、勇んでお店へ行ったのに、結局お店が開いておらず、消化不良の心を抱えて、霧の中を歩くことになった。
このままではあまりにも切ない。
そこで週末、今まで行ったことのない、旧市街にあるバイン・チョイ・タウの名店を巡ることにしたのでした。
ハノイのお店のことはハノイ人に聞け。参考にしたのは、こちらの記事です。
“5 quán bánh trôi tàu ngon cho mùa đông lạnh tại Hà Nội”
さて、行きましょう。バイン・チョイの注文の仕方は簡単。店員さんに、「注文数+チョーイ」と言えばOK。例えば2つなら「ハーイ・チョーイ」、4つなら「ボーン・チョーイ」。
こちらは小豆や緑豆、ハスの実などを使った伝統的なチェーが評判のお店。殊に緑豆のチェーは評価が高く、そのため緑豆餡のバイン・チョイは美味であること必至!餅の皮は薄く、緑豆餡や、黒ゴマがたっぷり入って、満足感のある一皿。お値段15,000ドン。
Hang Dieu通りとHang Non通りとの交差点に店を構えて10年ほど、こちらのお店はバイン・チョイのプロフェッショナルを自負しており、器にも『Diep Beo Banh Troi Nong(=バイン・チョイのディエップ・ベオ)』の文字が。
餅の皮は薄くて滑らか。生姜シロップの味付けも絶妙です。薄味好みの人にぴったり。
ただ、緑豆餡は正直微妙だったかな…。シロップは本当に美味しかった!
ここは夕方5時から。お値段、15,000ドン。
ごちそうさまでした。
ここで気づいたのが、まずHang Giay通りのバイン・チョイは非常にシンプルだということ。
他店の生姜シロップにはピーナッツやココナツミルクが入っているのに対し、生姜一本で勝負。また、緑豆餡の餅と黒ゴマ+ココナツ餡の餅が一つずつ入っているのがデフォルトであるのに、Hang Giayのそれは黒ゴマ餡がひとつ、ココナツ餡がひとつ。
このまったく誤魔化しの効かない中身で、あの美味しさ。やはりすごいな、と改めて感じた次第です。
で、Che 4 Muaのバイン・チョイは正直あまり印象に残らず。美味しかったけどね。
Diep Beoの生姜シロップは、ココナツミルクが絶妙なアクセントになっていて、優しい味。ここはおすすめ。緑豆餡は、きっと日によって味に差が出るものだと思います。
で、ですよ。この2日間で食べた中で、一番おいしかったのは、実はこの記事の一番上のバイン・チョイです。シロップに浮かべたピーナッツの香ばしさったら!丸餅と俵型の餅が入っていて、丸餅には黒ゴマとココナツが、俵型には緑豆餡が入っているんですが、この緑豆餡がちょっとしか入ってないんだけど、それがすごくバランスのいい量で、ほのかな甘さが感じられて、スッと消える感じ。
どの材料も主張し過ぎず、とてもバランスがいい!
場所ですが、Quang Thanh通りの終わりの方、Thanh Nien通りとの交差点の手前。鎮武観の裏手にあります。
名前はないかも。夜はやってません。
ちなみに、私が参照したベトナム語記事にはもう1店載っていたのですが、Bach Mai通りまで行ってられないので、4店のみご紹介。以上、ご参考までに。