ハノイのはちへお。

from Hanoi, Vietnam

セニョールが捕まった

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すべての始まりはホホバオイルでした。

ホホバオイルとは…砂漠で育つ多年草「ホホバ」から採取されるオイルのこと。アメリカ南西部からメキシコ北部が原産で、ネイティブアメリカンはホホバオイルを『砂漠からの黄金の液体』と呼び、食用油・傷の治療・肌の乾燥防止・髪の手入れ・ヤケドや湿疹の治療などに使用していた。
ホホバオイルのあれこれについてはこちらから→


実は「フリーダ・カーロミュージアム」に行った日の夜、Tちゃんは髪を切りに行ったのです。
で、その美容室でホホバオイルの効能について詳しく聞かされ、是非とも欲しいと思ったそうで。
何でもその美容師さんはアイメイクのやりすぎで睫毛がほとんど抜けてしまったときに、ホホバオイルをスキンケアに使用したところ睫毛が奇跡の復活。今は付け睫毛も必要ないぐらいなんだそうな。

カンクンの非常な太陽と海風に髪が傷み切っていたTちゃんは、ぜひ欲しいという。
私も29にもなって眉毛書いてアイラインを引くぐらいしかしないっていうぐらいメイクには興味ないけれど、ヘアケア・スキンケアには興味がある。特にこういう「オイル塗ればいいだけ」という簡単ケアなら大好物さ!
その美容師さんはホホバオイル自体安定した入荷がないと嘆いていたそうですが、私は「薬局にあるんじゃね?」と判断。
国立人類学博物館からシティに戻って、とある小さめの薬局で聞いてみたら「うちでは売ってないけど、パリス薬局で売ってるわよ」と教えてもらったので、また翌日買いに行くことに。
その後Tちゃんは空港へ、私はホテルでコンビニで買ったフルーツサラダとマルちゃんを糧に引きこもり。

実はメキシコ近郊出身のセニョール(Tちゃんのパートナー)がカンクンからメキシコシティにやってきて、そのまま2人はセニョールの実家に行ったのです。
そして1晩だけ泊まって、またシティに戻ってきた2人。なぜならこの日、私が日本に帰るから。
ホテルまでセニョールとTちゃんが車で迎えに来てくれて、一旦薬局へ行ってオイルを買ってから出かけることになっていました。


車に乗ってみたら、セニョールのお姉さんも一緒。というわけで4人で小旅行になりました。



まずはパリス薬局から。
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要は日本にもよくある大型ドラッグストアで、確かに何でもありそうな感じ。ホホバオイルは、私たちが行ったときは200mlのボトルしかありませんでした。これを3本買った。
200mlで120ペソ。まだ円安が進行する前だったので、大体840円ぐらいだったのかな?安いー!
100%ピュアのホホバオイルは高いのです。日本じゃ平気でン千円する。


で、私たちが無事にお買い物が済んで安堵したころ、1人無事じゃない人がいました。


タイトル通りです、セニョールが捕まってた。


聞けば路駐できるスペースがなかった為、その辺をグルグル走っている間にメトロブス(赤い車体の連節バス)の専用レーンを走ってしまったらしく、それを警察に見つかったわけです(メキシコでは警察は誰でもなれる職業なんだそうで、数が多い分その辺にゴロゴロ警官がいる)。
とりあえずパリス薬局まで白バイのお姉さん付きでやってきたセニョール。私たちを乗せた後場所を移動し、車を路肩に停めて、聴取が始まります。
まずは免許証、車両登録証などを渡し、それを警官がチェック。そして今回の違反に関してどういった処罰が下されるかの説明があります。ポケット交通法のようなものを出してきて、説明を始める女性警官。
今回は車両の押収、罰金6万円だったかな?
警官の口は止まることを知らず、セニョールが何か言っても「はあ何言ってんの悪いのお前」みたいな態度であしらうだけ。セニョールのお姉さんも助手席から何か言うけれど、今度はセニョールが押しとどめる。4人全員が眉間に皺を寄せ、車内は不穏な空気に包まれます。


結局どれぐらい警官との問答が続いたのか。しばらくして、セニョールが再び免許証(IDかも)を出して、警官がチェック。
そして一言何か言って、解放。


えー何でそんなあっさり?!


旅行経験が豊富だったり、ハノイ生活の長い方ならお分かりかもしれません。
2度目に免許証を出したときに、セニョールは200ペソを免許証の下に忍ばせて警官に渡していたのです。紋切り型の尋問が終わった後、警官が「で、いくら払うの?」と聞いてきたので、「100」と答えたら鼻で笑われたそうで。結果、200ペソの賄賂で解放。


メヒコよ、お前もか…!


実は警官が書類のチェックをするのに車から目を離したときに、セニョールがTちゃんに財布を渡し、高額紙幣を抜いて返すように言ったのです。
私はそれを見て、ああこれは渡す金額の交渉がその内始まるんだなと感じた。
ところがその「その内」がいつまでたっても来ないんで、「賄賂で解決できないような違反なのか?」と不安になったのですが、やっぱり賄賂ですよ。お金ですよ。
途中応援の警官まで呼ぶからびびったわ!!


ベトナムでもそうだけど、結局最後は賄賂に行きつくとしても、やっぱり手続きを省くことはできないんでしょうね。まあ違反者が賄賂を払わないなら、どうせ捕まえなきゃいけないわけだし。


そんなトラブルで始まったメキシコ最終日。ここから4人で水の街へ出かけます。



あ、ちなみにホホバオイルについて追記。
メキシコ在住の美容師さんによれば、日本で比較的安価に売られているホホバオイルは質のいいものではないそうです。
調べてみたらホホバオイルは『黄金の液体』と言われるぐらいなので、本来黄色やオレンジ色をしているわけです。逆に透明なホホバオイルは工業用(エンジンオイルとか)や化粧品の配合用に精製されたもので、アメリカやヨーロッパで肌や髪に直接塗られることはないもの。それを日本ではスキンケアに効果ありと謳われて売られているのだそうで、その美容師さんはこのことを言っていたんだと思います。
もちろん日本でも純粋なホホバオイルは手に入る。でも、先に書いた通り値段が高い!
アメリカやメキシコに行く予定のある人で、ホホバオイルに興味がある場合は現地でで購入をおすすめします。


私、現在コンディショナーにオイルを混ぜて使用中。パサつきが収まってまとまりのある髪になってきました。あと、つげの櫛の手入れにも使ってます。